「品質管理」について、分かりやすく解説!

 土木工事では、道路や橋、建物などのインフラを安全かつ長く利用できるようにするため、品質をしっかりと管理することが求められます。「品質管理」とは、工事で使用される材料や施工方法が適切かを確認し、決められた基準を満たしているかをチェックする活動です。ここでは、品質管理の目的や、その基盤となる法令について説明します。

品質管理の目的

 品質管理とは、工事の完成物が設計通りの性能や安全性を確保できるようにすることを目的とした作業です。具体的には、以下のような目的があります。

1. 安全性を確保する

 例えば、橋やトンネルが強風や地震に耐えられるのは、品質管理によって使用される材料や構造が厳密にチェックされているからです。不十分な管理は重大な事故を引き起こす可能性があるため、安全性の確保は最優先事項です。

2. 耐久性を向上させる

 道路や建物が早期に劣化しないよう、耐久性を保つためにも品質管理が必要です。適切な材料を使い、施工中に不備がないかを確認することで、長く使えるインフラが完成します。

3. コストを抑える

 品質の低い材料や施工方法を用いると、補修や再工事が必要になり、結果的にコストが増えることになります。初めから品質管理を徹底することで、無駄な出費を防ぎます。

4. 環境への配慮

 土木工事では環境保護も重要です。品質管理を通じて、有害物質が流出しないようにしたり、自然環境に配慮した材料を選んだりすることが求められます。

品質管理に関わる法令

 品質管理は、ただの努力目標ではなく、法律や基準によって義務付けられています。主な法令を以下に紹介します。

1. 建設業法

 建設業法では、工事の品質確保に関する責任を施工業者に課しています。工事を適切に行うための体制づくりや、品質検査の実施を義務付けています。また、施工業者は、品質管理が十分でない場合には行政処分を受けることがあります。

2. 公共工事品質確保促進法

 この法律は、公共工事(道路や橋の建設など)における品質確保を目的としています。設計から施工までの各段階で品質管理を徹底し、国民が安心して利用できるインフラを提供することを目指しています。

3. 土木工事共通仕様書

 土木工事における具体的な施工方法や基準が示されています。例えば、コンクリートの配合や締め固め方法、鉄筋の配置などが詳細に記載されています。この仕様書を基に施工が行われ、その内容に沿って品質検査が行われます。

4. 労働安全衛生法

 労働環境が安全でなければ正確な施工ができません。作業員の安全を守り、適切な作業環境を提供することも間接的に品質管理に寄与します。

品質管理の具体的な方法

 品質管理は、現場で具体的に次のような手順で行われます。

1. 材料の検査

 使用される資材(コンクリート、鉄筋、アスファルトなど)が規定通りの性能を持っているかを事前に検査します。不適切な材料は排除します。

2. 施工中の確認

 作業中に不備がないか、施工方法が仕様書に合っているかを確認します。例えば、コンクリートの流し込みや締め固めが適切に行われているかをチェックします。

3. 完成後の検査

 完成した工事が設計通りの性能を発揮できるか、耐久性や安全性を試験します。これには、コンクリートの強度試験や、完成物の寸法測定などが含まれます。

4. 記録の保存

 検査結果や施工手順を記録として残し、後から確認できるようにします。これにより、万が一問題が発生した際の原因究明が容易になります。

 

 土木工事の「品質管理」は、工事が安全で耐久性のあるものになるようにするための重要な作業です。安全性、耐久性、コスト削減、環境配慮などの目的があり、建設業法や公共工事品質確保促進法といった法令に基づいて行われます。

 現場では、材料の検査や施工中の確認、完成後の検査などが徹底され、それらの記録を残すことで品質管理が実現します。これらの取り組みを通じて、私たちが利用する道路や橋、建物が長く安全に使えるものとなるのです。

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