地盤調査は、建物や道路など社会基盤となる施設を建設する際に、地盤の強度や性質を調べるために必要な重要な調査です。地盤調査の代表的な手法には、スウェーデン式サウンディング試験、標準貫入試験(SPT)、平板載荷試験があります。ここでは、これらの試験の特徴と実施時の注意点について説明します。
スウェーデン式サウンディング試験
スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)は、主に住宅地や比較的小規模な建築物の調査でよく使われる方法です。
特徴:
- 細い鋼棒を地中に押し込み、その抵抗値から地盤の強度を推定します
- 比較的簡単な装置で実施でき、コストが低いのが特徴です
- 通常、建物の四隅と中央部の5箇所で調査を行います
注意点:
- 深い地層の情報は得られないため、大規模な建築物には不向きです
- 礫や岩が多い地盤では正確な結果が得られない場合があります
- データの信頼性を高めるため、他の調査方法と組み合わせることが重要です
標準貫入試験(SPT)
標準貫入試験は、ボーリング調査と併せて行われる一般的な地盤調査方法です。
特徴:
- 重さ63.5kgのハンマーを75cm落下させ、サンプラーを30cm打ち込むのに要する打撃回数(N値)を測定します
- N値から地盤の硬さや支持力を推定できます
- 深い地層の情報も得られるため、大規模建築物の調査に適しています
注意点:
- 調査には大型の機械が必要で、狭い場所では実施が困難です
- 地下水位が高い場所では結果が不正確になる可能性があります
- 作業に時間がかかり、コストも比較的高くなります
平板載荷試験
平板載荷試験は、実際に荷重をかけて地盤の支持力を直接測定する方法です。
特徴:
- 円形の載荷板に荷重を加え、その沈下量を測定します
- 地盤の支持力や変形特性を直接的に評価できます
- 主に路盤や擁壁などの調査、地盤改良後の確認に用いられます
注意点:
- 大型の機材が必要なため、狭い場所や傾斜地では実施が困難です
- 表層の地盤強度しか測定できないため、深い地層の情報は得られません
- 天候の影響を受けやすいので、実施時期に注意が必要です
スウェーデン式サウンディング試験、標準貫入試験(SPT)、平板載荷試験は、それぞれ特徴や適用範囲が異なる地盤調査方法です。建物の規模や用途、調査地の状況に応じて適切な方法を選択し、専門家の助言を得ながら慎重に実施することが大切です。
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