家計管理を始めるなら、何から手をつければいいのか。
私が今、家計管理をしていない頃の自分に一つだけ勧めるなら、
「なるべく現金を使わずクレジットカードで支払い、そのカードを家計簿アプリと連携する」
ことから始めます。
節約する項目を探すより、予算を細かく決めるより、まずは自分が実際に何にいくら使っているのか、データを取れる状態を作る。
私自身、家計管理を始めてから数年が経ちました。
始めたころの目的は、単純に「支出を把握すること」でした。
ところが続けているうちに、家計管理に対する考え方そのものが変わりました。
今は、
家計管理は、今の生活を豊かにするためにやるもの
だと考えています。
そこに至るまでに、私が実際に何をしたのかを書いてみます。
独身時代は、家計管理をする必要を感じていなかった
独身時代は、きちんと家計管理をしていませんでした。
ただ、家計が苦しかったわけではありません。
普通に生活していても赤字にはならず、貯金も自然に増えていました。
だから、そもそも家計を細かく管理する必要性を感じていなかったのだと思います。
それが変わったのは、お金に関する本を読むようになってからでした。
これから家庭を持つ。
子どもを持つ。
家を買うかもしれない。
そう考えると、
「自分は、何にいくらまで使えるんだろう」
ということを整理しておく必要があると感じました。
当時も、将来にいくら必要なのか、まったくイメージがなかったわけではありません。
ただ、「これくらいかな」という感覚でした。
住宅、教育、老後、投資。
それぞれにお金が必要になる中で、自分の収入でどこまで実現できるのか。
それを考えるには、まず現在の生活にいくら使っているのかを知らなければ始まりませんでした。
今では住宅についても、借りられる金額から考えるのではなく、教育費や老後資金、今の生活を含めた家計全体から考えるようになっています。
最初はExcelで予算を作ろうとした
そこで最初にやろうとしたのが、Excelで家計の予算を作ることでした。
ところが、すぐに問題が出ました。
予算を作ろうにも、実際に何にいくら使っているのかが分からない。
食費はいくらなのか。
日用品はいくらなのか。
固定費はいくらなのか。
感覚では分かっていても、正確な数字がありません。
予算を作るには、まず実績が必要でした。
そこで、支払いをできるだけ現金からクレジットカードへ移し、家計簿アプリのマネーフォワード MEと連携しました。
カードを1枚にするか2枚にするかは、それほど重要ではないと思っています。
大切なのは、支出が自動的に記録される状態を作ることです。
現金でしか払えないものなどは、必要に応じて手入力しています。
ただし、私は1円単位まで完全に合わせようとはしていません。
金額が大きければ入力する。
少額なら、そこまで厳密には追わない。
家計管理の目的は、1円単位まで帳尻を合わせることではなく、自分たちがお金をどう使うか判断できる程度に家計を把握することだからです。
実際に見えてきたのは、保険と携帯だった
支出が見えるようになると、いくつか気になるものが出てきました。
特に大きかったのが、保険と携帯料金です。
食費などについても、
「実際にはこれくらい使っているんだな」
と初めて数字で分かりました。
ただ、支出が見えたからといって、すべてを削ろうとはしませんでした。
まず優先したのは固定費です。
固定費は、見直すときには手間がかかります。
でも一度下げれば、その効果がその後も続きます。
細かな節約を積み上げるより、家計へのインパクトが大きいところから見た方がいい。
実際に家計を数字で見るようになって、その考えはさらに強くなりました。
最初に見直したのは携帯料金
記憶している範囲では、最初に見直したのは携帯料金、その次が保険だったと思います。
当時使っていたのはSoftBankで、その後ahamoへ変更しました。
携帯を先にした理由の一つは、比較的見直しやすかったからです。
オンラインでの手続きにも特に苦手意識がなかったため、大きな不安はありませんでした。
実際に変更しても、特に問題はありませんでした。
料金も下がりました。
当時の正確な金額は記録を確認しないと断定できませんが、本人回線では月6,000円程度下がったと記憶しています。
当時は「ものすごく得をした」と感動したというより、
「下がったな」
くらいの感覚でした。
ただ、今振り返ると、一度変更した後も削減効果が続いています。
固定費を最初に見ることの効果は、やはり大きかったと思います。
SoftBankからahamoへ変更した結果は、こちらの記事にまとめています。
保険は「高いから」ではなく、「何のためか」を考えた
保険も見直しました。
当時は月3万円ほど支払っていました。
ただ、単純に「3万円は高いから解約しよう」と考えたわけではありません。
お金に関する本を読んだこともきっかけの一つになり、
「そもそも、この保険は何のために入っているんだろう」
と考え直しました。
保障内容や自分の状況を整理した結果、その時点では見直す必要があると判断しました。
その後、必要な保障額を改めて考え、現在は必要だと考えた保障を掛け捨ての生命保険で確保しています。
この経験からも、家計管理は「高いものを削る作業」ではないと思っています。
支出額が大きければ、見直す優先順位は高くなる。
でも、
金額が大きい=削るべき
ではありません。
何のために払っているのか。
その支出によって何を得ているのか。
そこまで考えて初めて、残すか削るかを決められます。
生命保険を実際に見直した経緯は、こちらの記事にまとめています。
食費や外食費は、すぐには削らなかった
家計管理というと、
「食費を○万円まで下げる」
「外食を減らす」
といった節約を思い浮かべるかもしれません。
我が家では、最初からそうはしませんでした。
まず、それまで普通に生活していたら、実際にいくら使うのかを見る。
その生活を続けた場合、住宅や教育、貯蓄など他の部分にどの程度しわ寄せが出るのかを見る。
そのうえで、削る必要があるのか、そのままでいいのかを考えました。
食費や外食費にも、ある程度の予算はあります。
ただ、予算より大切なのは、
その金額を使うことで、自分たちがどの程度満足できているか
だと思っています。
少し高くても、その支出によって生活の満足度が高く、家計が黒字で、将来必要なお金も準備できるのであれば、無理に削る必要はない。
一方で、単純に使いすぎていて貯金ができない、将来必要なお金まで圧迫しているのであれば、見直す必要があります。
世間の平均より高いか安いかだけでは決められません。
家計を把握して、投資に回せる金額を決められた
家計を把握して大きかったことの一つが、投資にいくら回せるか判断できるようになったことです。
当時は住宅を購入するつもりだったので、手元の現金はある程度残しておきたいと考えていました。
そのため、すでに持っている貯金をすぐ投資へ移す考えはありませんでした。
毎月の生活費やその他の支出を把握して、
「この生活をして、毎月どのくらい余るのか」
を見る。
その余剰資金から、投資へ回す金額を決めました。
当時は毎月10万円程度を投資に回していた時期もあったと記憶しています。
家計管理をしたことで、単に「節約できる金額」が分かったのではありません。
生活、現金、住宅、投資のそれぞれに、どのくらいお金を配分するかを考えられるようになった。
こちらの方が、私にとっては大きな変化でした。
家計は1か月見ただけでは分からなかった
家計簿アプリを使い始めれば、すぐ家計が分かる。
実際にやってみると、そう単純ではありませんでした。
月によって支出は変わります。
年に数回しか発生しない支出もあります。
季節による違いもあります。
だから、実際の年間収支が見えてくるまでには、どうしても時間がかかります。
私の場合も、1年間ほど記録して初めて、
「我が家はだいたいこれくらいのお金で生活している」
という実感を持てるようになりました。
だから今振り返ると、もっと早く始めてもよかったと思っています。
家を買う。
子どもの教育費を考える。
投資額を決める。
そうした大きな判断をするとき、過去1年間の実際の家計データがあるのとないのでは、かなり違います。
今は2か月に1回程度、Excelへ反映している
現在もマネーフォワード MEを使っています。
日々の支出はマネーフォワード MEで把握し、2か月に1回程度、その数字をExcelへ反映して家計全体を更新しています。
毎日Excelを開いて細かく管理しているわけではありません。
自動で取れるデータは自動で取る。
その数字を定期的に整理する。
今のところ、このくらいのやり方が自分には合っています。
マネーフォワード ME自体も、使い始めてから何年も経ちました。家計簿アプリを使い続けて感じていることは、別の記事にまとめています。
そして何年か家計を追っていると、
「家計のどこが本当に大きいのか」
も見えてきます。
数百円、数千円の支出を積み上げて削っても、家計全体ではそれほど変わらないこともあります。
一方、携帯料金や保険、住宅などは、一つの判断が長期間の家計に影響します。
だから私は、細かいところを全部削るより、まずインパクトの大きいところを見るようにしています。
家計管理を続けたら、使うお金も増えてきた
少し意外かもしれませんが、家計管理を続けて、減った支出ばかりではありません。
むしろ最近は、少しずつ増えている項目もあります。
たとえば旅行費。
誕生日や結婚記念日の月の外食費。
毎年の実績を見ながら、
「このくらい使った方が自分たちは満足できる」
と思えば、予算を増やすこともあります。
老後にどの程度必要なのか。
教育費にどの程度確保したいのか。
普段の生活にはどの程度使っているのか。
何年も家計を管理することで、それらが以前より見えるようになってきました。
だから、その先にある、
「じゃあ、残ったお金をどこに使えば生活がもっと豊かになるのか」
を考えられるようになったのだと思います。
もちろん、今と将来のどちらにどこまでお金を使うかは、今でも簡単には決められません。
それでも、何も分からない状態で使うのとは違います。
漠然とした不安を「予測できる不安」に変えられた
家計管理を続けて一番大きかったのは、将来のお金に対する不安がかなり減ったことかもしれません。
不安がなくなったわけではありません。
住宅についても、教育についても、老後についても、今でも迷います。
望む生活水準や欲しい家には、どうしても理想も入ります。
ただ以前と違うのは、
「この選択をすると、どこが厳しくなるのか」
「どのくらいまでなら現実的なのか」
を、ある程度数字で考えられることです。
私の感覚では、
漠然とした不安を、ある程度予測できる不安に変えられた。
これが家計管理を続けて得られた大きなものです。
数字だけでは、どんな生活をしたいかまでは決められない
一方で、家計管理をすればすべての答えが出るわけでもありません。
将来の安心を厚くするのか。
今の生活を充実させるのか。
住宅にどこまでお金を使うのか。
教育にどこまで使いたいのか。
これは数字だけでは決められません。
家計管理でできるのは、選択肢ごとの影響を見えるようにするところまでです。
そのうえで、
「自分たちは、どんな生活をしたいのか」
を考える必要があります。
我が家でも、生活の質として残したいものについては、これまで夫婦で話し合ってきました。
金額が大きいから削るのではなく、自分たちにとって大切なら残す。
逆に、生活の満足度がほとんど変わらないのに支出が大きいなら見直す。
今はそう考えています。
今なら、最初にこれをやる
もし今、家計管理をまったくしていない頃の自分に戻れるなら、最初にやることはシンプルです。
できるだけ現金を使わずクレジットカードで支払い、そのカードをマネーフォワード MEなどの家計簿アプリと連携する。
まずは、実際の支出データを取れる状態を作ります。
最初から完璧な予算を作る必要はありません。
1円単位まで合わせる必要もないと思っています。
数か月、そしてできれば1年とデータがたまってくれば、自分が何にいくら使っているのかが見えてきます。
そこから、
何を残すのか。
何を見直すのか。
いくら投資するのか。
将来にいくら残すのか。
今の生活にいくら使うのか。
を考えていけばいい。
私自身は、最初にExcelで予算を作ろうとしてから、実績データが必要だと気づきました。
だから今なら、その順番を逆にします。
まず実績を取る。予算を作るのはそのあとです。
まとめ|家計管理は、今の生活を豊かにするためにやる
家計管理を始めたころの目的は、支出を把握することでした。
固定費を見直し、投資に回せる金額を考え、将来必要なお金を考えてきました。
でも、何年か続けた今は、家計管理に対する考え方が少し変わっています。
毎月黒字であることは前提です。
そのうえで、
自分たちが使いたいところにはお金を使えて、それでも将来の家計が大きく崩れないと分かっている。
私にとっては、それが家計管理ができている状態です。
将来必要なお金をある程度確保できる見通しを立てる。
その見通しがあるからこそ、残ったお金を必要以上に抱え込まず、旅行や外食など今の生活にも使える。
だから今は、
家計管理は、今の生活を豊かにするためにやるもの。
そう考えています。
節約するためだけではありません。
将来への漠然とした不安を数字で見えるようにして、そのうえで、自分たちが大切にしたいものにお金を使う。
家計管理を始めて一番変わったのは、支出額そのものより、そこだったと思います。
